2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

九鬼周造『「いき」の構造』(岩波文庫)のレビュー

九鬼は、概して、抽象的な理解よりも、具体的な理解を好む傾向を示します。その傾向は、民族的体験としての「いき」の構造を理解するための方法論について述べている以下の2点において、窺われます。 第一に、次の説示があります。 「いき」と類似の意味を…

「ためしてガッテン」から見るコミュニケーションのあり方

前回の日記は、タイトルだけからも分かる通り、会話術に関する本ですが、最近、会話術に関する本がたくさん売れています。それは、現代の日本人が会話について苦手意識を持っているということの現れだと言えます。 ところで、つい先ほど、「ためしてガッテン…

『頭の良い人、悪い人の話し方』から見る新書の行方

樋口裕一さんの『頭の良い人、悪い人の話し方』(PHP新書)は、2005年において1番売れた書籍です(250万部以上のベストセラー)。先日、この本を読みました。確かに、共感するところがない訳ではありません。しかし、その内容は、何らかの理論的体系性が…