2006-01-01から1年間の記事一覧

「正しい日本語」。

「正しい日本語」を使いこなすのは「当たり前のこと」であると言われることが多いと思いますが、本当にそれは「当たり前のこと」でしょうか。 「正しい日本語」は、ある時点での日本語の標準的用法を正統なものとして呼ぶときの呼称です。これに従うとすれば…

言語の恣意。

とある文章を読んでいて、「男女に友情は成立するか」という問題提起が眼に入りました。この問題については、考えれば考えるほど答えが一義的なものにならなくなります。というより、いかなる答えも正当と思われるという形で、非両立的命題の両立が僕の脳内…

中立の不可能性。

ある主張を批判する主張に対して、価値観の多様性を諭すことには、意味があるのでしょうか。 ある争点について、複数の考え方が可能である場合、それらは互いに矛盾・対立する可能性があります。そして、その可能性が現実のものとなるとき、争いが生じること…

認識。

ある事実は、人がこれを認識することにより、固定的観念たる情報として把握されます。 もっとも、この認識の過程において、多かれ少なかれ、人は事実を解釈せざるを得ません。言語化にたえ得る形での事実の把握のために、単純化がなされるためです。 そして…

ジレンマ。

いかなる方向性も、他の方向性との矛盾を免れないことがあります。 特に、その矛盾を成す2つの方向性がともに自分において不可欠のものとして位置付けられる場合、どうすべきか途方に暮れざるを得ません。なぜなら、その2つの方向性は、いずれも他との妥協…

いじめと自殺−追記−。

今日、電車の中吊り広告で、「いじめを苦にする自殺の予告は、いたずらだった」という旨の記事がありました。この記事がいかなる動機に基づいて書かれたかに関わらず、この記事があることが、日本からいじめが消えることがないという予想をより確かなものと…

いじめと自殺。

いじめと自殺が報道され始めてそれなりの時間が経ちました。もちろん、これまでのいじめに関する報道において情報選別があり、最近のトレンドとしていじめが決定的に脚光を浴びたがために、これほどの頻発性が感じられているに過ぎないと言うこともできます…

合理の不合理。

実現できたら幸せを生むはずの「やりたいこと」は、その過程を「やりたくないこと」と化すことにより、かえって不幸を生む場合がある気がします。これは、善にかなうはずの目的を目指す意識を推す合理が、かえって悪を生むという不合理と言えます。 普通に考…

高校履修問題。

高校履修問題について、何が問題かと言うと、このように大したことない問題を無駄に大きくしている情報の伝え手(マスコミ)及び受け手(一般市民)の稚拙さだと思います。 そもそも、ちょっとくらい履修漏れがあったとしても、それが学生にとってそんなにマ…

いじめと自殺。

いじめと自殺が報道され始めてそれなりの時間が経ちました。もちろん、これまでのいじめに関する報道において情報選別があり、最近のトレンドとしていじめが決定的に脚光を浴びたがために、これほどの頻発性が感じられているに過ぎないと言うこともできます…

Discussionバトン。

Discussionバトンは、めんどくてずっとやってなかったのですが、思い出に浸ることも兼ねつつ、やってみようと思います。 【Discussionバトン】1.あなたの現在、もしくはかつての立場は? 2004年度UTESSチーフでしたが、現在…

ブログのそもそも論。

僕を含めて、なぜブログを書く人がいるのでしょうか。さしあたり思いつく簡単な答えは、最近流行っているからだというものだと思います。しかし、そう考えるならばむしろ、問題は、なぜ流行るのかという点だと思います。言いようによっては、流行っていると…

事実という神話。

事実と評価を分けるという発想があります。そして、これはあたかも自明の理のように考えられるのが通常だと思います。しかし、それは本当に自明の理なのでしょうか。 そもそも、事実と意見の峻別は、いかなる発想に基づくのでしょうか。 ここで、事実という…

自己主張と他者尊重の葛藤。

僕は、自分を主張することも好きだし、他人が主張することを受け入れることも同時に好きです。 そもそも、多くの人は、自分の良さを周りに知って欲しいという自己顕示欲を持っていると思います。これにとどまらず、より広く、自分に対する注目が集まること自…

絶対的真理の不存在と存在のはざまで。

「摂理」の問題が広く浸透しているようですが、広く宗教に対する姿勢を個人個人が熟慮する必要性は、決して今に始まったことではないはずです。 個人的に、宗教に関する判断における事後的後悔をできる限り避けるためには、特定の宗教を真実にも信じないにも…

魅力とは何か。

仮に「魅力」ある人間でありたいと思う場合、「魅力」とは何かという問題が浮上します。ここに言う「魅力」は、「オーラ」とか「雰囲気」とかと置き換えられかまいません。 「魅力」は、それ自体物理的に存在するものとして理解するのは難しいと思います。し…

世界の相互関係と言葉の意義。

世界は1つではないと言い得ます。そして、1つ1つの世界は閉ざされていて、それらの世界は完全には符合し得ません。 考え方によっては、世界は1つであるとするものもあります。しかし、それを認識する主体は観念としてのみ存在するものと考えるかぎり、そ…

主観と客観の両立可能性。

『大切なものは、失って初めてて気づく』という類の諺的命題がありますが、僕はこの命題が好きではありません。なぜなら、この命題からは、大切なものを失う前にその意義に気づけなくてもかまわないという自慰的含意を感じ取られるからです。 もちろん、大切…